合歓の花が出来てから、次は草むらに咲く昼顔をと考えていたものの、猫じゃらしにする毛虫のような種子の部分が、考えていた方法では上手く出来ないのです。
通常はモールを使ったりするのでしょうが、創作の有職造花にそんな安易な方法で対処してよいはずもないのだし、若松を作るようにして小さな塊を作り、それを後から丸く刈り込めば、絹が原則の有職造花で再現出来るだろうと踏んだのですが...まるで駄目だったのでした。
この冬、凍てつくような季節の平薬として枯れた蓮の葉を作った時に、この方法ならば夏の盛りの青々とした蓮の葉でも同じように作れると考えていたのを思い出し、次は蓮だと思ったら、もう猫じゃらしも昼顔もどうでも良くなってしまって、早朝から絹を染めて裏打ちもしておいたのです。
八本の針金を主葉脈として、その延長をそのまま茎とする蓮の葉ですから、広げるも閉じるも容易いこと。考えた通りにさっさと出来てしまいました。葉脈の間や葉の縁に若干鏝を当ててみたのですが、形が野暮ったくもなるし、爺むさくもなるので、何もしないで仕上がりとしたのです。
実際の蓮の葉や花はとても大きな物ですから、直径30cmばかりの輪の中で、ミニチュアと感じさせずに作り上げるのは難しいでしょうが、そこが挑戦の面白さというものなのかもしれません。