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■ 近頃のこと

2014/06/11

琳派の向日葵(ひまわり)

酒井抱一は江戸琳派の最高峰ですが、抱一の描く絵はそのまま有職造花の図案として使えるものが多いのです。琳派そのものが、様式の上に洗練された装飾美を見せる世界なのですから、それも当たり前と言うべきなのでしょう。
今まで何度か抱一の絵を意臨するようなつもりで平薬に応用させて来ましたが、『蓮』に続いて次は何を作ろうと考えても思い浮かばない歯痒さに、ヒントを得るつもりで抱一の画集をめくってみたら、以前からこれは出来ないだろうなぁ...と踏んでいた向日葵の絵にこそ惹かれたのでした。
向日葵に朝顔が絡んでいる『向日葵蟷螂図』という軸なのですが、向日葵を有職造花で作るというのも妙に刺激的だったし、朝顔の蔓の描き方も今更ながら洒落ているし、随分と違った花の対比だけでも、制作には面白いに違いないのですから、早速早朝から絹を染めて用意を始めたのです。
向日葵の葉は鋸のようなギザギザが付いているのですが、まだ向日葵が咲くには少し時期に早いこともあり、敢えてそれを無視して若々しい葉色に仕立てて、初物の向日葵というような設定にしてみたのです。
問題なのは花の芯なのですが、さてどんな出来上がりになりますか。

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