■ 近頃のこと
2023/08/30
今年の猛暑の執拗さには、情けないほど打ちのめさせられてしまいました。 山向こうに日の出の兆しが見えると、その光は既に、今日もまた容赦のない酷暑になることを、否応無しに宣言しているのです。 昔
2023/08/04
中学生の頃、一般が学ぶ書道の雑誌で、画仙紙の半切に1句だけを仮名書きした手本があり、それが『石も木もまなこに光る暑さかな』だったのです。 どんな字だったかなどとうに忘れてしまっていながら、俳
2023/07/29
11月の平薬を仕上げ、次は10月をと思いながら、一向にプランがまとまらなかったのです。 明確なのは、丹頂鶴の頭の赤を際立たせる構成をというだけで、菊は白菊だけでとか考えはしたのですが、鶴のポ
2023/07/22
創作十二ヶ月平薬制作ですが、先ずこれを、次はこれで、その次はこれ・・・と作り進めば、出来上がるものは殆ど上半期のものなのです。 何故そうなのかは簡単なことで、下半期の平薬制作に二の足を踏むの
2023/07/16
ごつい梅の幹を使って木組みしてありますが、そもそも最初は、藤の絡む松を仕立てるつもりだったからなのです。 松に藤の平薬は春に作ったばかりでしたし、両方とも手馴れたものですから、先ずは松をと緑
2023/07/14
次々に、藤原定家の花鳥和歌によるオリジナル十二ヶ月平薬を制作しているのですが、『4月 卯の花に時鳥』『2月 桜に雉』『1月 柳に鶯(改作)』『12月 早梅に鴛鴦』と作り進めた次は、『5月 菖
2023/07/06
葉の茂った枝が窓に差し掛かる仕事場の外で、何やらカサカサザワザワと、せわしい音がするのです。 何だろうと鏝当ての目を移せば、ついぞそんなところに来たことなどないのに、沢山の雀が上下左右入れ代
2023/06/27
前に仕上がった『卯の花とホトトギス』の平薬画像を見てくださった方が、『私はその木の下に立っているのかと思いました。風が吹き、見上げた瞬間青空の下を時鳥が横切って行きました。心の中を飛んでいっ
2023/06/25
突然思いついた、藤原定家花鳥の歌によるオリジナル十二ヶ月平薬制作の最初は、意図して季節に合わせたのではないのですが、卯の花とホトトギスになりました。 卯の花は、小中学校に続く道の山側に、時期
2023/06/14
3人仕丁の前に、松、竹、梅3種の嶋台を置きたいのだそうで、更にそのどれもに雀を組み合わせて欲しいという、珍しくも面白い依頼があったのです。 そんな制作は、私の独壇場のようなものだと自惚れすら
2023/05/22
先月は、藤の季節を先取りするように、柄杓(ひしゃく)に藤のひと枝とか、松に藤の平薬などなど、まさに藤の花の連作だったのです。 それらを全て仕上げた頃、ふと見上げた裏山の、鬱蒼と茂る木々の上に
2023/04/16
今でも皇室に男児が誕生すると、薄く削いだ檜を垂らして兜の錣(しころ)に見立てるなど、檜の素材を最大限に活かし、独特の様式で兜を模して仕立てた、檜兜(ひのきかぶと)という端午の有職飾りが誂えら
2023/03/31
横浜人形の家での展覧会も、入館者数の目標をクリア出来て終わられたとか。撤収作業に行って耳にすれば、やはり安心してしまいます。 有職造花など至極マイナーで、まさに絶滅危惧種どころか絶滅寸前以外
2023/03/19
上巳の節句には、曲水の宴(きょくすいのえん)という、雅な遊びがあります。 宮中や貴族の屋敷で陰暦3月3日に行われた年中行事の1つですが、庭園に設けた曲水に沿って、平安装束に身を包んだ参会者が