手持ちぶさたを良いことに作っていた白・紫・桃色の三色朝顔でしたが、垣根に仕立てて欲しいと要望があり、それも初挑戦だし面白いので作ってみたのです。
土台の板は白木のまま、そこに垣根を作って朝顔を這わせてあります。
昼顔の制作でもお話ししましたが、こうした蔓物は先ず単品で見映えがするように仕立ててしまい、それを巻き付けるだけなのですが、作為でない作為なのでしょうけれど、花の位置や混んだ葉の分散など、偶然の仕上がりというのは必ず予想外に思いがけない効果を見せてくれるもので、何しろ作っている本人が感心させられたりするのです。私はどんな制作でも、パーツを仕立て上げてしまって以後は、この偶然性を最も尊重して構成し ているのです。
朝顔は制作に面倒な花のように思われるらしいのですが、実はこんな楽なものは無いくらい、私にとっては容易いのです。今回は、ほつれが多く腰のない絹サテンでなく、細かい縮緬のような絹を使ったため暈かしも自然で、しっとりとした趣に仕上がったようです。