月別アーカイブ

■ 近頃のこと

2024/11/02

鶯は羽子板の裏に飛ぶ

私は、縁起を担ぐということが殆どありません。 どうやら母もそうだったようで、その昔、少しばかり建て増しをすることにした時、どこで聞きつけたのか親戚の1人が、今建て増しをすると死人が出るから止
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2024/10/23

挿頭をる道行人の

挿頭(かざし)とは、上古の日本人が神事に際して髪や冠に挿した草花の事とか。 儀式によって使われる草花が違ったとか、幾分個人の趣味や志向が反映されたりしたところで、本来はあくまで装身具とは違う
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2024/10/17

ヤマトタケルの熊手

随分以前から、一度縁起物の熊手を有職造花で作ってみたいと思っていたのです。 例えば、松や紅梅白梅に鶴などという組み合わせが共通していようと、酉の市などで売られる熊手とは、パーツの素材からして
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2024/10/10

敬老会にて

チャイムの音に開け放しの玄関に出てみれば、近所に住む、小・中学校で2つ下だった人が、誰やら見知らぬ年配者を連れて訪ねて来られたのです。 彼は、数年前に大きな桜立木を作って完成間もなかった頃、
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2024/10/06

五色の平菊 ─重陽節に寄す─

明治政府は、何でもかでも西洋に追いつこうと、あたかも床にぶちまけたペンキの上を転がるように、なりふり構わず西洋式に染まろうと躍起になっていたのでしょう。 その巻き添えで、旧暦でなかったら季節
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2024/09/30

ひとり花咲く

サルスベリというと、心に残ったままの数ヶ所が、即座に目に浮かぶのです。 どんな理由だったのかわかりませんが、父は屋敷にサルスベリを植えるものではないと、庭に1本だけあった、老木のような太さが
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2024/09/23

百日紅

およそ30年近くの間に、私は130種以上に及ぶ花を主に季節のオリジナル平薬の制作のため、有職造花として作ったのです。 桜や梅、また松のように、有職造花の定番である物ではまるでなく、季節ならで
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2024/09/19

目にはさやかに

夜も更けたしと、開け放したサッシを閉めに向かえば、やたらに廊下が明るいのです。 台風10号の後、いきなり肌寒い程の日が続いたので、漸く秋の到来かと安堵したのも束の間、凄まじいほどの日差しと、
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2024/08/28

秋色已到来

昨夜早めに床についたら、チリチリチリチリと、何種類もの秋の虫の声が、庭にヴェールを張り巡らせたように響いているのに気付かされたのです。 秋の虫といわれますが、夜の庭の至る所に溢れんばかりに湧
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2024/07/31

真夏の鶯

この異常な暑さの中、裏山の鶯が早朝から夕方まで、何処かに滝の落ちる深山でもあるかのように、澄み切った声で鳴いてくれているのです。 宮古島の東シナ海側には、吉野海岸とか新城(あらぐすく)海岸と
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2024/06/23

天窓

朝ドラ『寅に翼』を見ていたら、天窓に雨が打ちつける場面が出てきたのです。 ドラマに重要でもないそんなシーンに、何故目を奪われたのかといえば、家の建て増しをする以前、壁を隔てれば便所という、最
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2024/05/31

雲井の鶴

それにしても、とりわけ雨に烟る今の季節の緑はどうでしょう!どこをどう切り取っても、1年の内で最も瑞々しく美しく、またその情緒といったら。 庭の隅にある、金魚を入れた大きな水槽に、昨年の夏に浮
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2024/05/13

小洒落た小さな肴台

月毎に興味深い制作を依頼して下さる方から、七寸五人官女の前に置く小道具として、幅4寸の洲浜台に載せる肴台(さかなだい)3種(押台、富貴の台、控台)の制作依頼があったのです。 肴台とは、婚儀の
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2024/05/10

一汁一菜

ほうれん草は、吸い物、味噌汁、胡麻和え、バター炒め、グラタン等々、どんな調理でも美味しいのですが、サッと茹でたのに削り節を山ほどかけて、醤油で食べるというシンプルそのものが、私にとっては一番
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