月別アーカイブ

■ 近頃のこと

2020/09/30

真綿と河柳と

恥ずかしながら、ついこの間まで真綿とは弾けた綿の実から集めた、木綿綿とばかり思っていたのです。 先日、重陽節の菊の被綿(きせわた)を作れないかとの問い合わせがありました。赤や黄に真綿を染めた
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2020/09/24

Addio del passato―紅葉の平薬―

日に日に夕暮れが早くなり、庭の紫苑が沢山の小さな花を、長く伸びた茎の先端にアッという間に咲かせましたから、数本を手折って、便りを届けるように、彼岸の墓参で供えて来ました。 今年の夏といったら
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2020/09/01

夕顔夜顔

『柴田是真の植物図』という本を手に入れて、早速開いてみれば、輪の中に様々な植物が描かれていて、あたかも平薬の図案のようなのです。 これは、東京藝術大学が所蔵する、戦災で消失した明治宮殿内の千
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2020/08/04

垂れ葛を作る

私は葛が大好きなのです。 花や葉は言うまでもないのですが、最も惹かれるのは、巻き付く場所を失った蔓の先端が宙に浮いたまま、風に靡いたりしている光景なのです。 しかし、高速道路のフェンスであろ
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2020/07/17

五節句の平薬

料亭のお持たせを入れる袋に、モノクロで印刷するという図案を見せて頂いたのです。著名な博多人形師の息子さんに描いて貰ったとのことでした。 昔の『引き札』のような恵比寿さんが、五節句の花で飾った
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2020/07/08

蓮の活け花

先月はその半分ほども、黒漆塗りの桶に活ける桃と菜の花の有職造花制作に掛かりきりでいたのですが、今月に入って直ぐ、同じ花器に活ける蓮の花の有職造花を作ることになったのです。 水揚げをしない蓮の
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2020/06/29

花器と菜の花

ひょんとしたことから、黒漆塗りの花器1対を頂いてしまったのです。 桶の底から取手の先端まで60㎝という花器なのですが、木地である樽を作ったのは、人間国宝になられた中川清司という方だそうです。
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2020/06/06

竹に雀の嶋台

伊達政宗の紋所は、竹に雀なのだとか。左右2本の太い竹を内側に曲げて丸紋にした中に、2羽の雀が嘴(くちばし)をくっつけて飛ぶ家紋なのです。どういう意味なのか、向かって左側の雀が口を開けていて、
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2020/05/27

色紫陽花の平薬

2月始めに桜の平薬を2つ作ってから、3ヶ月半も平薬を作ることはなかったのです。 その間、桜の小枝、球形の桜橘から、菖蒲葉にヨモギの五月飾り。桃太郎が持つ旗の先端に付ける桃やら、吉備団子の入っ
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2020/05/25

橘の立木制作顛末

去年の6月頃だったでしょうか、ある団体から橘の立木を作れないかとの相談が入ったのです。 桜の立木ならば何度か依頼があって制作していますから、およそ意外なこともないのですが、橘には垣根も付けず
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2020/04/14

猫婆さん

『人生、下り坂最高!』というのは、NHKの番組で自転車旅を続けている、火野正平さんの言葉です。 そもそも、生活経済を維持するというのは、自転車で坂道を登っているようなもので、漕ぐのをやめれば
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2020/03/09

お伊勢詣と睡蓮の池造り

田舎に籠って、今日が何日やら何曜日やらも分からないような生活をしていると、コロナ騒ぎなどどこ吹く風。まるで無縁なままで過ごしていられます。 そもそも人混みというのが嫌で、先月末に親しい研究者
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2020/02/16

桜橘と朝顔と

節分飾りの制作を随分と楽しんだ後、珍しく垣根に植えた桜橘を作ったのです。 さる料亭で、雛の節句の設えに使っていた桜橘が、およそ誉められた物ではなかったのを見て、そんな水準のものを使って欲しく
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2020/02/02

節分の夜の灯

灯りの歴史を読むと、油を吸わせた芯で灯される明るさといったら、僅かに2ワット程度なのだそうです。 昔々私が小さい頃、家の便所にぼんやりと灯った電球が、確か4ワットだったと記憶するのですが、そ
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2020/01/20

早春の有職飾り

梅に鶯の平薬をとの要望から、直ぐに早春の平薬のイメージが涌き上がってしまったものですから、とにかく作りたくて堪らない気持ちを押さえきれずに出来てしまったのが『春鶯囀』でした。 ところが、要望
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