■ 近頃のこと
2017/10/28
どうにも気に入らずに青葉を引き抜いてしまったアオバズクとサクランボの平薬でしたが、せっかくフクロウを木彫り彩色したのだし、木組みも悪くないのだからと、別の花や野草などで何とか再生出来ないもの
2017/10/21
私の丸平雛コレクションの二番親王立像は、女雛ですら足元から額まで60cmもある殆ど最大級のものです。雛飾りでは、男雛と女雛の間に三宝に載せた瓶子(へいし)を置くのが常なのですが、何しろ大きさ
2017/10/10
毎年今頃になると、まだ卵が産めるまでになれないまま、季節に取り残されてしまったようなカマキリが、日だまりの壁にポツンといるのを見つけるのです。まだ蝉が鳴いていたりするのですから、今頃ならば卵
2017/10/06
絵を描くことが苦痛で、そればかりはひたすら苦手意識から逃れられなかったのです。しかし、手助けで描いて来た檜扇や絵元結、櫛をはじめ、野鳥の彩色やらの積み重ねが功を奏したというのか、今春熱心な要
2017/09/29
今年の八月ときたら、割合あっさり過ぎて安堵していた梅雨が、真夏の時期になるなり、温存した力を加えてぶり返したが如くの雨続きだったのです。毎日毎日カビを培養しているかのような中途半端な暑さで、
2017/09/21
思い掛けず居場所が見つかった沢蟹でしたが、残った鷺も何とか活かしたかったし、それも深秋の平薬にしたかったのです。インターネットで『深秋の風景』という画像を検索してみると、秋の花を中心に夥しい
2017/09/16
使い用のない沢蟹をそのままにして、次は鷺を彫り始めたのです。直立してちょっと下を見ているポーズで出来上がった時、ほんの遊び心で鷺の前に沢蟹を置いてみたのですが、鷺に出くわして固まっている蟹の
2017/09/07
葛の平薬を作った時、満月に鎌を振り上げる設定で初めてカマキリを作ったのです。もちろん実物大ではないのですが、昆虫としては大きいカマキリながら、それでも前脚の関節の長さが数㎜ですから針金を曲げ
2017/09/04
私は葛の葉が大好きなのです。何しろ神武天皇が葛城で土蜘蛛を退治した際に用いたのが葛の網なのだそうで、神話にすら強さ逞しさの象徴のように登場するだけあって、木でも棒でも電柱を支える鉄線でも、蔓
2017/08/10
一辺が7cmの三宝に盛るミニチュアの肴台のうち『富貴の台』と『控え台』の制作依頼があったのです。『婚礼の有職造花』で、肴台の種類や形態、役割を紹介しているのですが、今やこんな婚礼用具を知る方
2017/07/30
梅雨が明けたかと思えば、早くも台風なのだとか。そのせいでしょうけれど、梅雨に逆戻りしたような湿気にほとほと閉口しています。このところ半月以上、料亭で使われる紅梅白梅の有職造花に掛かりきりだっ
2017/07/07
夕顔の平薬を作ってみたいと思い始めたのは、もう6年ほども前になるのです。夕顔の花は朝顔と同じように思われがちでしょうけれど、花びらの下に細く長い筒があり、その先端にいきなり筒の直径の30倍に
2017/06/29
お能を観たことも無く、もちろん知識も無いので、『姨捨』の制作依頼の際に用意した鬘帯とか扇といった小道具にしても、図書館やインターネットで探せた画像を形にしたものに過ぎなかったのです。とりわけ
2017/06/22
二番親王尺三寸二十五人揃に老女の人形を加えたいと思い始めたのは一昨年だったでしょうか。そもそもは、二番親王尺三寸二十五人揃という大きな組み物を段飾りにする場合、四段目が老若の随臣に直衣の若人
2017/06/13
『婚礼の有職造花』に載せている嶋台は、丸平さんが昭和八年頃に納めた結納用品の一つとして、当時の雲上流によって制作された極めて完成度の高い嶋台とそれを復元したものです。復元といったところで、モ