月別アーカイブ

■ 近頃のこと

2025/10/08

新作『嶋台』の顛末

嶋台は、結納や婚礼の際の杯置きというのが本来の役目とのことですが、洲浜台の上に松竹梅とか鶴亀の吉祥物を華やかに置くので、次第に武家や豪商に下り、その婚礼等はおろか、やがて吉原などの遊興の場の
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2025/09/27

宿り木と逝く夏と

およそ130種類もの花や葉を有職造花にして来たのですが、それでも先日、毎月の瓶子飾りを納めさせて頂いている方から、思いも掛けない植物での制作依頼があったのです。 何と、『宿り木』を有職飾りに
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2025/08/29

悟り涼夏法

白百合の一輪挿しをとの依頼がきっかけで、6月終わり頃から挑戦を続けていた百合作りでしたが、山百合から鬼百合と、新たな2種類を何とか克服出来た最後に、『笹百合』の一輪挿しをとの制作依頼が入った
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2025/08/07

残暑の一輪挿し

先日、YouTubeに1960年代のフレンチ・ポップスやサンレモ音楽祭の受賞曲などが思い掛けなく見つけられて聴いてみたのです。 フランス・ギャル、シルヴィ・ヴァルタン、ボビー・ソロ、ウィルマ
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2025/07/25

鬼百合と猫の燈籠

白百合作りから始まり、どうにか山百合を有職造花として完成出来た直後、焼けるような真夏の庭の緑の中に、鬼百合がツンと出て、鮮やかな朱色の花弁を大きく丸めて咲いているのが目に入ったのです。 山百
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2025/07/18

山百合を作る

その昔、田んぼの端にくねくねと通学路が通っていて、学校まで半分ほどの所にあった踏切の先は、両側が高い崖の切り立つところまで登る坂道で、それは山を削って通した新しい通学路だったのです。 切通し
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2025/06/30

蔦重頼りの日々

寄る年波の必然ならば受け入れてよいのでしょうし、受け入れなければならないのでしょうけれど、未だそれほどの高齢でもないので、時に途方に暮れてしまうのですが、この頃とみに何でも忘れてしまいます。
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2025/05/31

梅雨入りの頃

ここ数日、雲はひたすら低く、雨も降り始めていますから、このまま梅雨に入るのでしょう。 梅雨入り時の雨に烟る緑といったら、四季の中で最も瑞々しい山野の息吹きに思うのですが、その少し前には、新し
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2025/05/15

平薬のわかれ

およそ30年前、右も左も分からずに足を踏み入れた有職造花制作の世界でしたが、やっと手に入れた刺繍糸はほんの数色。鏝(こて)といったら、ただ1本の一筋鏝だけしかなくて作ったのが、藤原定家十二ヶ
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2025/04/25

初夏は巡り来

4月10日を過ぎた辺りから、水田に耕作機が動き始めたと見れば、あっという間に耕され、水が張られ、あちこち田植えが済んでいるのです。 耕作機はそれこそとんでもない値段らしいのですが、人力ばかり
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2025/03/31

日暮しの雛

早朝の車窓に流れる景色を見るともなしに眺めていると、山際の斜面が、緋毛氈を敷き詰めたように赤くなっているのです。 目を凝らせば、山の斜面に垂れて咲く大きな椿の木からの無数の落花が、根元を赤く
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2025/02/28

独り言のような切ない話

有職造花は、御所を中心とした公家社会で発達した飾り物ですが、後年は豪商などの富裕層相手に商われて存続したのでしたから、そもそも庶民の環境に息づくには無理があったりするのです。 それを鼻にかけ
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2025/01/27

瓶子に咲いたガクアジサイ

昨年の今頃でしたか、黒漆塗りの花器に飾るのに、桃の花と菜の花の有職造花を作って欲しいという依頼があったのです。 更に毎月の季節の花をということにもなって、作った順序通りではないのですが、1月
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2025/01/08

YouTubeと億劫談義

今年の元旦は、早朝6時半頃の電車で東京に向かったものですから、思い掛けず初日の出なるものを車中から見たのです。 たまたま、何が何でも行かなければならない用事が元朝だったというだけで、初日の出
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