月別アーカイブ

■ 近頃のこと

2025/05/31

梅雨入りの頃

ここ数日、雲はひたすら低く、雨も降り始めていますから、このまま梅雨に入るのでしょう。 梅雨入り時の雨に烟る緑といったら、四季の中で最も瑞々しい山野の息吹きに思うのですが、その少し前には、新し
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2025/05/15

平薬のわかれ

およそ30年前、右も左も分からずに足を踏み入れた有職造花制作の世界でしたが、やっと手に入れた刺繍糸はほんの数色。鏝(こて)といったら、ただ1本の一筋鏝だけしかなくて作ったのが、藤原定家十二ヶ
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2025/04/25

初夏は巡り来

4月10日を過ぎた辺りから、水田に耕作機が動き始めたと見れば、あっという間に耕され、水が張られ、あちこち田植えが済んでいるのです。 耕作機はそれこそとんでもない値段らしいのですが、人力ばかり
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2025/03/31

日暮しの雛

早朝の車窓に流れる景色を見るともなしに眺めていると、山際の斜面が、緋毛氈を敷き詰めたように赤くなっているのです。 目を凝らせば、山の斜面に垂れて咲く大きな椿の木からの無数の落花が、根元を赤く
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2025/02/28

独り言のような切ない話

有職造花は、御所を中心とした公家社会で発達した飾り物ですが、後年は豪商などの富裕層相手に商われて存続したのでしたから、そもそも庶民の環境に息づくには無理があったりするのです。 それを鼻にかけ
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2025/01/27

瓶子に咲いたガクアジサイ

昨年の今頃でしたか、黒漆塗りの花器に飾るのに、桃の花と菜の花の有職造花を作って欲しいという依頼があったのです。 更に毎月の季節の花をということにもなって、作った順序通りではないのですが、1月
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2025/01/08

YouTubeと億劫談義

今年の元旦は、早朝6時半頃の電車で東京に向かったものですから、思い掛けず初日の出なるものを車中から見たのです。 たまたま、何が何でも行かなければならない用事が元朝だったというだけで、初日の出
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2024/12/07

葉っぱ尽くしの年末

昨年11月に制作した、日本武尊ゆかりの霊験あらたかなアラカシ(粗樫)は、木の葉のみで有職飾りに成り立たせられた、貴重な体験だったように思います。 ただ、樫ばかりか雑木の葉は、本来包み込むよう
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2024/12/04

老松の掛け蓬莱

私の丸平コレクションのうちでも1、2を争う水準の『馬上の大将』とは、20数年前の今頃に訪問した丸平大木人形店で、衝撃的な出会いをしたのでした。 どうしてそんな話になったのか、恐らく横尾さんと
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2024/11/25

ひと休みの木と野仏と

まんが日本昔ばなしを見ていると、よく旅人や物売りらが、歩きの足を休ませるために、大きな木の根元に腰を下ろして、炎天の日差しを避けるとか、小春日和の日向ぼっこにうたた寝をしてしまうというような
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2024/11/02

鶯は羽子板の裏に飛ぶ

私は、縁起を担ぐということが殆どありません。 どうやら母もそうだったようで、その昔、少しばかり建て増しをすることにした時、どこで聞きつけたのか親戚の1人が、今建て増しをすると死人が出るから止
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2024/10/23

挿頭をる道行人の

挿頭(かざし)とは、上古の日本人が神事に際して髪や冠に挿した草花の事とか。 儀式によって使われる草花が違ったとか、幾分個人の趣味や志向が反映されたりしたところで、本来はあくまで装身具とは違う
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2024/10/17

ヤマトタケルの熊手

随分以前から、一度縁起物の熊手を有職造花で作ってみたいと思っていたのです。 例えば、松や紅梅白梅に鶴などという組み合わせが共通していようと、酉の市などで売られる熊手とは、パーツの素材からして
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2024/10/10

敬老会にて

チャイムの音に開け放しの玄関に出てみれば、近所に住む、小・中学校で2つ下だった人が、誰やら見知らぬ年配者を連れて訪ねて来られたのです。 彼は、数年前に大きな桜立木を作って完成間もなかった頃、
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