■ 近頃のこと
2015/09/05
葛の花の平薬を作りたいとずっと願い続けていたのですが、大きな葉が群がって繁る様を直径30cmの環に収める事の難しさに躊躇していたのです。春先からずっと、新しく作る花ばかりでオリジナルの平薬を
2015/08/29
野アザミとモンシロチョウの平薬を作り終えても、何だか手の疼きのようなものがちっとも納まらず、季節の青栗に梟(ふくろう)を組み合わせたらとひらめいて『原色精密日本鳥類写生大図譜』を見ていたら、
2015/08/25
尺三寸の五人官女のうち、五節句の上巳と端午に当てはめた二人の頭(かしら)は、丸平さんに残されていた、雑然と雛頭などを入れてあった幾つかの頭箱の中で、長い間眠っていたものでした。恐らく明治時代
2015/08/23
何でも全て、和紙で裏打ちした絹によって作らなければならないと思い続けていた有職造花でしたが、木彫り彩色での鳥などを組み合わせているうちに、蕾や萼でも有職造花の技法で作るには造形上の無理がある
2015/08/10
様々な芙蓉がある中で、私は九月に入ってからも咲き続ける桃色の芙蓉が好きなのです。未だ残暑の厳しさにあろうとも、冷たいコバルト色を含ませ始める晩夏独特の空にこそ殊更映えるその花の色もそうですが
2015/07/30
一昨年から『書院懸物図』という版本にある、藤原定家が12ヶ月の花と鳥を詠んだ和歌をモチーフにした図案の復元をしてきています。『書院懸物図』は、京都の古本屋で売りに出たのですが、そもそも江戸で
2015/07/21
梅雨明けが近くなると、そこかしこにノウゼンカズラが、赤みを帯びたオレンジの花を咲かせ始めます。その萼といったらエナメルのような質感の鮮やかな黄緑で、何とも対称的なのです。ノウゼンカズラは凌霄
2015/07/17
私にとって、朝顔を作るのは別段難しいこともないのですが、その蕾だけは結構厄介なのです。いわばパラソルのように、針金を芯として巻いて行けばよいようなものの、なかなかきれいに巻かれてくれるもので
2015/07/06
尺三寸の官女に持たせる上巳の有職飾り探しには、ほとほと手こずったものの、色々と文献を当たって行き着いたのは、結局また2000年に京都文化博物館で催された『京の五節句』の図録だったのです。そこ
2015/07/01
二十代の中頃、詩人の立原道造に少しだけ傾倒していたことがあり、信濃追分を歩いてみたり、幾篇かの詩によって放送劇の脚本を書いたりしたこともあったのでしたが、そもそも憧憬のきっかけが『萱草に寄す
2015/06/25
前に官女の小道具として作った五節句飾りのうち、七夕に相応しい有職飾りとしてこれ以上のものは無いのだろう『七夕花扇』ではあっても、人形に持たせるなどとんでもない、前に置くにしろ些か大き過ぎたの
2015/06/15
以前ここでも紹介した五節句飾りは、尺三寸という大きな五人官女の小道具として作り直した物ですが、それをどうしても欲しいと言われる方が居られたのです。七夕花扇などは簡単に出来るものではないし、出
2015/06/01
いつの間に咲き始めたのか、裏の屋敷跡にある泰山木が幾つもの花を付けていました。既に茶色に変わり始めているものすらあったので、直ぐに画像に収めたのです。大きな泰山木が年中葉を茂らせ、今の季節に
2015/05/23
先日ある方から、色々な鳥を木彫り彩色していながら、何故ツバメを作らないのか疑問だったと言われたのです。それには幾つかの理由があるのですが、ツバメという鳥は私にとって特別中の特別であることに間
2015/05/16
色々な小鳥を木彫り彩色して来ましたが、今度はカワラヒワという小鳥を作っていたのです。羽根を広げると黄色の部分が帯状にあるすずめ科の野鳥ですが、いつも彩色の参考にしている『日本鳥類写生大図譜』