■ 近頃のこと
2014/06/03
近頃の私は、季節季節の瞬間に触発されて制作しているのです。そうした触発によって、自然に突き動かされて出来たような有職造花こそが、どんなに下手くそであろうと、自分の本領には違いないと思っていま
2014/05/29
小学校の通学途中に咲いた黄菖蒲は、小さな用水池の水際にあったのです。鮮やかな黄色は場違いなほどで、どの花の黄色にも属さないような独特の質感に見えました。花自体が、通俗と稀少の境目をぎりぎり綱
2014/05/26
『遅春』という題名で、葉桜の根元の様を平薬に作るつもりが、すっかり化けてしまいました。最初には確かに完成イメージがあっても、パーツを作って直径一尺の輪に構成してゆく内に、この方が面白いという
2014/05/21
まごまごしているうち、六月も目前になってしまいました。季節はすっかり初夏に変わろうとしています。今少し前の季節といったら、山々に生い茂る新緑はそれだけでも美しく瑞々しいのに、それが雨に濡れて
2014/05/16
私の『丸平コレクション(https://maruhei.oki-suju.com/)』にある、御引直衣立像の女雛に持たせる菖蒲を作ってみました。 先代六世大木平蔵の制作によるこの立像は、装束
2014/05/14
有職造花の創作から遠ざかる時、それでも日常に自然を目にしながら、あの花はどう付いて居るんだろうとか、この草むらを有職造花で再現するならどんな色に染めたらいいんだろうとか、常に考え続けています
2014/05/12
明治期に超絶技巧を誇った工芸作品群は、どれもこれも想像を絶する手間や下積みの集積から成された職人技の権化というべきものでしょう。もちろん商品には違いないのですが、職人とはいいながらそのデッサ
2014/05/08
テレビ朝日の早朝番組『グッド!モーニング』という番組から突然メールが入り、五月二日だったかに端 午の節句について「今でしょ!」の予備校講師が解説するのだけれど、そこで薬玉にも触れるため、是非
2014/04/21
世紀の人形頭師だった12世面庄の頭(かしら)といったら、頭だけの時には本当になんて事無いように見えるものなのです。それが、髪を着け、衣装を着けるという一行程ごとにどんどん美しく変身してゆくの
2014/04/18
丸平コレクションのホームページ制作に掛かっていて、有職造花の制作には未だに腰が上がりません。庭の木蓮が咲き、若い葉の出た独特に曲がる枝振りに見とれていたり、遠目に見る咲き始めて花もまばらな八
2014/04/08
昨秋だったか若い友人から、チェコの友達の結婚式に呼ばれて参加する事になったので、是非有職造花をお祝いに持って行きたいと依頼があったのです。渡したのは、御簾の手前に咲き誇る直径20cmの桜の平
2014/04/07
突然良くあることなのですが、すっかり有職造花の制作が途切れてから三ヶ月が過ぎてしまいました。ホームページのリニューアルを依頼して手間取っていたりしたけれど、ともかく完成に漕ぎ着けられたのだし
2014/02/25
このHPがアップされる頃にはもう雛祭も済んでしまっているでしょうが、雛人形の手足を作るのも僕の仕事の一つなのです。僕の手足は、針金を差し込んで胡粉塗りして作るものではなく、小指の一本まで木彫
2014/02/25
平薬の復元を数ヶ月続けてきて一段落した時、次は長いことお客さまを待たせている桜立木の制作を...と早速始めようとしたのですが、この寒さの事で裏打ち作業が上手く出来なかったり、まごまごしている
2014/02/25
木彫り彩色の鳥が付いた平薬の復元はあまりにも面白く、その延長で『霜夜の月』『凍日』『蝋梅』『初菫』という冬の平薬まで、四つも出来てしまったのでした。中でも、極寒の平薬として枯れた蓮と百舌鳥を